相場変動リスク
為替の値動きで利益が出せるのと同様に損失を出してしまう可能性も当然にあります。
例えば1ドル100円のときに1万ドルを購入したとします。
1ドル105円になることを期待していたが、意に反して1ドル95円と円高に進んでしまった場合5万円の損失が出てしまいます。
1ドルが95円になったときに持っている通貨を決済(持っていたドルを円に戻すこと)しなければ損は確定しないのですが、さらに1ドルが90円や85円と大きく円高に進んでしまった場合取り返しのつかない損失を抱えてしまうことにもなりかねません。
レバレッジ
テコの原理のことで、小さな力で大きな力を生み出すことを意味しています。
例えば、外貨預金では1ドル100円のときに1万ドルを購入しようと思えば100万円が必要になります。
しかしFXではレバレッジを利かせることができ、個人口座では最大で25倍の取引ができます。
つまり、レバレッジをきかせると1ドル100円のときに1万ドルを購入しようと思えば4万円ですむということです。
これはFXの最大のメリットです。
しかし、その反面デメリットにもなります。
1ドル100円のときに1ドル102円という2円の円安になることを期待してレバレッジを25倍かけて購入したとします。
しかし意に反して1ドル98円という2円の円高に進んだとすると2万円の損失が出てしまいます。
レバレッジを25倍かけているので購入時に使った金額は4万円です。
ということは4万円を使って2万円の損失が出たことになります。
もしも、レバレッジをかけずに取引をしていれば800円の損失しか出ていなかったのです。
レバレッジを利かせることにより、利かせていない時と比べて利益も大きくなるのですが、損失も大きくなってしまうのです。
資金管理
これらのリスクを解消するために必要となるものです。
資金管理にはロスカット、強制決済(強制ロスカット)、キャッシュポジションの維持などがあります。
これらについての説明をします。
投資での勝ち組は必ずロスカットやキャッシュポジションの維持を意識して行っています。
ロスカット
損が出ているときに損失を確定させて決済してしまうことです。
なぜ損失を確定させるのかというと意に反した値動きをするとなかなか決済ができなくなり、気づいた時には取り返しのつかないことになっているからです。
「為替変動リスク」のところで例として挙げたように1ドル100円のときに1ドル105円になることを期待したが、1ドル95円、90円、85円と思いがけない値動きをすると負けを認めたくないという思いからの損失を受け入れられなくなってしまうのです。
そうならないためにも、一度決済をして改めて冷静な気持ちで取引をした方が、いい結果が出るのです。
証券会社の取引機能で逆指値注文というものがあります。
逆指値注文をとは意に反して1ドルが○○円になってしまったら決済をしますという注文方法です。
これを駆使して自分自身で損失をコントロールします。
強制決済(強制ロスカット)
仮に自分で逆指値注文を入れていなくても、各証券会社が定めた基準の損失に達したときに、自動で強制的に決済をしてくれる機能がついています。
これにより、資産がマイナスにならないように証券会社側も管理をしてくれているので安心した取引が可能となります。
キャッシュポジション
投資資金の中で投資に回していない資金のことです。
例えば1ドル100円のときに、4万円しか持っていないにもかかわらず1万ドルを購入したとします。
つまり全財産をドルに替えたということです。
これはキャッシュポジションがない状態と言え、少しの値動きで多くの割合の資産がなくなってしまうのです。
例えば全財産40万円の人と全財産4万円の人がいたとします。
2人とも1ドル100円のときに1ドル102円になることを期待して1万ドルを購入したところ、意に反して1ドル98円になってしまったので2人ともロスカットをしました。
損失は2人とも2万円なのですが、何%の資産が減ったかを考えたとき、資産40万円の人は5%の資産が減ったということになります。
対して全財産4万円の人は50%の資産が減ったことになってしまいます。
資産を大きくして考えてみると、同じ10万円の損失が出たときに、資産100万円の人と資産1億円の人ではメンタルに受けるダメージが違いますよね。
投資のリスクにさらさないキャッシュポジションを高めることによって、精神的に余裕のある取引ができるのです。
そして精神的に余裕のある取引こそが勝ち組への近道と言えるのです。