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マージンコールとは、ロスカットされる1歩手前のことです。
「かなりヤバイ状態」ということですから、トレーダーにとってはあまり聞きたくない、怖い言葉ですね。
FXでは、レバレッジを効かせることにより、証拠金の1倍~25倍の取引が可能ですが、それだけにハイリスクでもあります。
レバレッジを10倍かけた場合、運用が成功すれば10倍の利益になりますが、失敗すれば、同じく10倍の損失を被ることになります。
そこで取引会社は、「マージンコール」や「ロスカット」といった、証拠金を大きく上回る損失が出ないような仕組みを導入しています。
この仕組みのおかげで、トレーダーは大損を回避することができるわけですね。
FXでは、リスク対策が非常に重要です。
まだスキルや経験、知識が足りないのに、欲に任せて資金を注ぎ込み過ぎると、あっという間に資金を失ってしまいます。
ですので、FXを始めたばかりの方も、思わぬ損失を出さないよう、今回ご紹介するマージンコールについて、覚えていってくださいね!
FX業者からの警告!マージンコールとは?
マージンコールとは、簡単に言うと「警告」のことです。
追証と呼ばれることもありますね。
「今の余力状況では、今後資金が不足する可能性があるので、追加で入金してください」
一定の損失額に達したら、このような警告(連絡)が業者からきます。
FXでは、取引を始めるときに業者へ保証金(担保)を預けます。
この警告は、取引に必要な保証金額が、FX業者の決めた割合を下回った際に出されます。
取引中、思惑通りにレートが動かなかった場合、ポジションの評価が変動し、大きな損失が出る可能性が高まります。
これを回避するために業者からマージンコール(警告)がかかるわけです。
サッカーで例えるなら「イエローカード」といったところですね!
何だか怖いことを話しているようですが、マージンコールとは、トレーダーを守ってくれるためのシステムとも言えます。
このマージンコールが発生すると、翌営業日までに証拠金維持率を回復するだけの金額を入金する必要があります。
もし維持率が回復できなかった場合、任意で維持率を回復する水準まで反対売買をして決済されます。
また、マージンコールは毎日決められた時刻の為替レートを元に、各取引の証拠金維持率を計算しています。
例えばニューヨーク時間17時などの基準となる時刻に、証拠金が健全な水準に維持されているか、計算することで決めています。
このときに、証拠金維持率を下回ると、マージンコールが発生するのです。
ではマージンコールが発生した際、どういった判断が必要なのか見てみましょう。
発生後は何をすれば良い?正しい対処法とは?
FX会社の口座に追加入金することで直接担保能力を高める
- 保有しているポジションを縮小することで取引数量を減らす
- ポジションを清算し、取引から撤退する
上記にあるのが、私のおススメする対処法です。
マージンコールが発生すると、ロスカットの執行が近いです!
冒頭で、マージンコールとはロスカットの1歩手前のことと説明しましたよね。
マージンコールが発生するときは、まずFX業者からメールで連絡がきたり、パソコンの取引画面上に通知が表示されたりします。
そこで決められた期限までに証拠金維持率を回復できなければ、ロスカットが執行されます。
すなわち退場(レッドカード)です!しかも多額の損失を抱えてです!
そうならないためにも、マージンコール発生後には正しい判断で対処していきましょう。
まずは速やかに証拠金維持率を回復することに努めてくださいね。
そして、それ以前に大切なのは、未然にマージンコールを防ぐためにも、日頃から損失を拡大させないような取引を心がけておくことです。
また、各業者の中には、マージンコールの制度を設けていない会社もあります。
この場合、レバレッジがかなり高く設定でき、マージンコールの基準を上回る取引が可能です。
しかし、警告なしに突然ロスカットが執行されて、強制決済されてしまいますので、FX初心者の方は、マージンコール制度を導入している業者を選びましょう。
ちなみにこのマージンコールが発生するラインというのは、ロスカットのように業者によって異なります。
各FX業者のマージンコール発生基準
「証拠金維持率100%以下」
・マネーパートナーズFXnano
・マネーパートナーズFX
・GMOクリック証券(くりっく365)
・GMOクリック証券(FXネオ)
・FXプライムbyGMO
・YJFX!
・FXトレード・フィナンシャル
・楽天証券
・外貨ジャパン
・マネックスFX プレミアム
「証拠金維持率110%以下」
・みんなのFX(トレイダーズ証券)
「証拠金維持率125%以下」
・FOREX.com
・セントラル短資FX
「証拠金維持率150%以下」
・ひまわり証券
・マネースクウェア・ジャパン
「証拠金維持率200%以下」
・ヒロセ通商
このように、各業者によってさまざまな基準が設定されています。
簡単ではありますが、各社の比較材料として、ご参考にしてください。
では次の項目で、証拠金維持率50%を下回るとマージンコールが発生する業者の例を挙げて、シミュレーションしてみます。
例えばこんな感じ!マージンコールの具体例

- 預け入れ金額:10万円
- 必要証拠金:10万円
- マージンコール発生条件:証拠金維持率50%未満
この条件で、1ドル100円のとき、1万ドル(100万円分)を購入しました。
しかし、思惑とは反対に、レートがどんどん下がっていき、1ドル94円まで円高が進行してしまいました。
証拠金維持率は、「(有効証拠金)÷(必要証拠金)×100」という計算式で出せます。
そうすると、「(94-100)×10,000(ドルの数量)=-60,000円」
預け入れ金額100,000円-60,000円=40,000円(有効証拠金)
40,000円(有効証拠金)÷100,000円(必要証拠金)×100=40%(維持率)
このような計算になるので、このとき維持率が50%を下回っていますよね?
ここでマージンコールが発生し、警告が来るわけですね。
いかにリスクを減らすか!FXでの成功は堅実なトレードが鍵
マージンコールは、ロスカット同様、投資家を守るためのシステムです。
ですが、もしFXで成功を目指しているのなら、マージンコールが発生してしまうような水準での取引はおススメできません。
何度もご説明したように、マージンコールとはロスカットの一歩手前、イエローカードの状態です。
これを放っておけば、強制ロスカットは避けられない危険性があります。
欲に負けて自分の能力以上の取引を続けていると、必ず破滅を招きます。
高いリスクをとる取引は、長続きしません。
そして、ロスカットにも言えることと同じで、いかに発生させないようにするか、がリスク対策の大きなポイントです。
マージンコールがかかってしまう最大の要因は、レバレッジのかけ過ぎがほとんどです。
為替レートが1円下がっただけでもマージンコールがかかってしまうような、高レバレッジの取引は、初心者にはリスクが高すぎます。
慣れるまでは絶対にしないようにしましょう!
また、FXで成功したいのであれば、真剣に取り組み、ギャンブルではなく投資だということを、肝に銘じておきましょう。
資産が増えるとわかりきった状況でのみ、トレードをしていけば、真剣に取り組んでいる方なら必ず成功します。
当たり前のようですが大切なことですので、このことをしっかりと、自分の中に落とし込んでいってください。
マージンコールのまとめ
マージンコールは、投資家を守るための仕組み
- マージンコールが発生すると、ロスカットはもう間近
- マージンコールが発生したら、証拠金維持率を上げよう
- 業者別のマージンコール基準を比較しよう
- マージンコールは未然に防ぐべき